ガイド精度を上げるため、色々な取り組みをしてみましたが、赤道儀SXPの限界なのか、鏡筒Visac素材の強度不足によるものなのか、それとも両方なのかと梅雨の間考えていましたが、最後はこれしかないとのことで、オフアキに再挑戦してみることしました。

現在手持ちのOAアダプタは軽量でいいのですが光路系がΦ36㎜と小さく、フルサイズデジカメD810aでは周辺減光を通り越して、DXレンズを装着したようになり、使えませんでした。そこで大口径のOAアダプタをと探してみますと、ありました。
CelestronのオフアキガイダーCE93648です。

      現保有品    新規購入Celestron品
OAアダプタ1
御覧のように圧倒的な大口径です。
これなら2インチスリーブから同梱されているM48スペーサーリングを使って、Tねじカメラアダプターまで光路径が通常撮影時と同等のΦ48㎜を確保できる。

なかなか晴れてくれない日が続いてましたが、9月7日に22時ごろまで晴れてくれそうなので上弦の月が煌々と照らす中、自宅の庭で新オフアキのトライアルを行いました。

日中に遠景で撮影カメラとガイドカメラの焦点を合わせておいたので、難なくガイド★をゲットし、キャリブレーションを開始。尚、オフアキカメラはプリズムによるケラレ等の影響が少ない撮影カメラの底面方向に固定してあります。

露光3secから始めたが”赤経・赤緯軸の直行性”のエラーが何度やってもでるので、4sec,5sec・・・8secまでやってみたが結果は同じ。ダメもとでそのままガイドを始めてみたが、案の定ガイドグラフは暴れまくりです。
それではとF4ガイド鏡と同じ露光の1sec、0.5secと短くしてみたら、やっとこ0.5secでPHD2君のOKが出ました。
ガイド開始。安定している。20分間ガイド状況を監視してみて、定常的にガイドが安定していることができたので、21時撮影開始。やっとこさ撮影開始できました。
22時過ぎ、予定通り曇が広がってきて、オフアキトライアル撮影終了

●1時間撮影中のガイドエラー
RMS  RA:0.56arc-sec DEC:0.37arc-sec 
ピーク  RA:1.54arc-sec    DEC:1.05arc-sec


いいですね!すばらしいです。最近のガイド鏡でのオートガイドは良くてRMS1.0arc-sec

新オフアキのトライアルの対象は子午線通過直前のM27としました。

★M27 アレイ状星雲 惑星状星雲 子ぎつね座
M27_北茨城市_2019.09.07-01
鏡筒:VC200L  D=20cm  Fl=1800㎜ 直焦点
赤道儀:SVP 、カメラ:D810a
ガイド:Off-Axisオートガイド/Celestron, カメラ:QHY5Ⅲ-178M, ガイドアプリ:PHD2
撮影条件:ISO1600、600sec、6コマ、総露出時間60分
撮影日時場所:2019.09.07 21:05~22:14  北茨城市

短時間露光フレーム、スカイフラットフレームは撮影しておりませんので、過飽和復元合成、オフアキフラット補正処理等はしておりません。フラット補正は通常撮影のフラットライブラリを使っております。

オリジナル画像はこちら➡https://www.flickr.com/photos/181790959@N02/48709313047/in/dateposted-public/lightbox/

50%のトリミング版です。
M27_北茨城市_2019.09.07-1
ガイドが安定していると、恒星像がカチッとしてきますね。まずまずです。
オフアキのアドバンテージが出ているようです。
又、オフアキアダプターによる顕著な周辺減光、プリズムによるケラレの発生はないようです。
月明かりの中での6コマ撮影でこの画像はまずまずですね。

今後はPHD2のガイド条件を追い込んで、更なる精度アップしましょう。
次の新月期が楽しみです。

ところで、
今回の画像処理の過程で、マルさんのブログの記事に紹介されていましたStarÑet++での星消し画像作成にも挑戦してみました。

早速インスツールし、FlatAide Proのプラグインで使えるということで、FAPから立ち上げました。取り敢えずStride64で星消し画像を作成。

●Stride=64の星消し画像 7360×4912pix  処理時間:30分
M27_統合の統_星消し03-3-1_starless-64
輝星の光条がぼんやり残っていますが、恒星マスク用他に使えそうですね。
マルさんに感謝!

因みにStrideが32、16も暇に任せてやってみましたが、ほとんど同等の画像と思います。
今回の元画像では64で十分ですね。
32はウォーキング前に、16は寝る前に仕込んでやってみました。
8に挑戦する場合は一泊旅行の出発前に仕込んで行きましょう。CPUクーラーファンは回りっぱなしですので、真夏の場合は、部屋にはエアコンをつけっぱなしですね。

●Stride=32の星消し画像 7360×4912pix  処理時間:2時間
M27_統合の統_星消し03-3-2_starless-32

●Stride=16の星消し画像 7360×4912pix  処理時間:8時間
M27_統合の統_星消し03-3-2_starless-16

Strideと処理時間はほぼ2乗の逆比例になってますね。
星雲部分を拡大するとStrideを小さくするとわずかにノイズが減っているようですが、実用的にはデフォルトの64で十分で、処理時間を考えると、やっても32までですね。